翻訳者の中で最も多い働き方はフリーランス。
・・・ですが、翻訳者になるには、正社員として働く道もあるんです!
翻訳正社員には、フリーランスにはないメリットがたくさんあるよ!
この記事では、翻訳正社員で働くメリット・デメリットはもちろん、翻訳正社員求人の特徴や、オススメ転職サービスまで幅広く紹介しています。
正社員の働き方を知り、興味を持った方はぜひ挑戦してみてください!
でははじめましょう!
翻訳正社員求人の探し方3パターン
翻訳正社員求人を探すには、次の3つのパターンがあります。
- 転職サイトで求人検索
- 転職エージェントに登録する
- 翻訳求人サイトを利用する
転職サイトは、さまざまな業界・職種の求人情報が掲載されているサイトです。
利用者はサイトに会員登録し、自分で条件に合う求人を探して応募します。
転職サイトのメリットは、利用者が都合のよいときに手軽に求人を閲覧・応募できること!
一方で、転職エージェントでは、利用者はまずエージェント側の担当者と個別面談をした上で、サービスに登録します。
登録すると、エージェント側があなたのスキルや条件に合った求人を探して紹介してくれます。
エージェント側で求人を探してくれるので、応募者側は求人を探す手間がない上、応募時にも履歴書の書き方や模擬面接などのサポートが受けられます。
翻訳求人サイトは、翻訳者向けの求人が掲載されているサイトです。
代表的なものにはアメリアがあります。
フリーランス翻訳者向けの求人がほとんどだけど、正社員向けの求人も全体の1割ほどあるよ!
アメリアについては下の記事も参考にしてください。
求人数が多いおすすめの転職サービス6つ
転職に強いサービスにはどんなものがあるの?
ここではそんな疑問をお持ちの方に向けて、おすすめの転職サービスを6つ紹介していきます!
プロの目で厳選したサービスなので、気になるものがあったらぜひ登録してみてくださいね!
転職サイト編
まずは転職サイトです。
上でも紹介したように、転職サイトでは、自分で求人を探して応募する必要があります。
利用の手順は、
会員登録 ⇒ 求人検索 ⇒ 求人案件応募
なので、気になるサービスがあったらまずは会員登録してくださいね!
リクナビNEXT
リクナビNEXTは日本最大手の転職サイトで、掲載されている求人数も群を抜いています!
新着求人数が毎週3,000件近くもあり、もう圧巻というしかありません
翻訳関係の求人数も多く、「翻訳」のキーワードで検索すると、なんと230件もの求人が表示されました(2021年3月24日現在)!
翻訳関係の求人は数自体が少ないので、取り扱っている求人数が多いサイトを利用するのがポイントです。
その点、リクナビNEXTは取り扱い求人が業界最大級なので、ココに登録しておけば間違いないといえるでしょう!
また、リクナビNEXTでは、自分のプロフィールを登録しておくと、企業からのスカウトを待つこともできます。
翻訳にこだわりがなく、語学力を活かした仕事であればOKという方は、ぜひ登録しておくことをオススメします!
doda
dodaもリクナビNEXTに負けず劣らず求人数の多いサイトで、2021年3月24日時点で11万件を超える求人案件(非公開案件を含む)を抱えています。
通訳・翻訳案件も55件あり、まずまずの求人数といえます
求人の内容としては、翻訳コーディネーターの求人が多いような印象を受けました。
dodaの特徴は、転職サイトだけではなく転職エージェント機能もあることです。
登録しておくと、サイトには掲載されていない非公開求人の紹介もしてもらえるので、少しでも多くのチャンスがほしい人にはオススメです!
転職エージェント編
続いて転職エージェントです。
転職エージェントサービスを利用するときは、まず最初にエージェントへの登録が必要です。
一般的な手順は、
WEBサイトから利用申込み ⇒ 面談スケジュール調整 ⇒ エージェント担当者と面談 ⇒ 担当者から求人紹介
となります。
転職エージェントを利用すると、自分でいちいち求人を探さなくても担当者が適切な案件を探して提案してくれます!
そのうえ、履歴書の書き方や面接のサポートまでしてくれるので、正社員転職を考えているならぜひ利用したいサービスです!
リクルートエージェント
おすすめの転職エージェント1社目は、リクルートエージェントです。
リクルートエージェントにはなんと非公開求人が10万件以上あり、圧倒的な求人数を誇ります。
公開求人は3万件強と非公開求人の約3分の1なので、リクルートエージェントのサービスをフル活用したいのであればサービスに登録が必須です。
リクルートエージェントのサイトから「翻訳」のキーワードで求人検索をすると、2021年3月24日時点で41件の求人がヒットしました。
非公開求人も含めるとどれくらいの数があるのか・・・期待がふくらみますね!
パソナキャリア
パソナキャリアは、幅広く求人を提案してくれると好評の転職エージェントです。
自分で転職サイトを使って求人を探すより楽に見つけることができた
などの口コミもあるので、忙しくてなかなか求人検索にまで手が回らない人にもオススメです。
翻訳・通訳関連の求人は46件(2021年3月24日時点)。
このほかにも非公開求人がたくさんあると考えられます。
色々な求人を幅広く見たい人や、プロからいろいろな求人情報を提供してほしい人には魅力的なエージェントなので、とりあえず登録しておくという使い方もオススメです。
語学力を活かした求人に強い
正社員求人を探す時には、語学力を活かした求人に強いエージェントや外資系に強いエージェントを利用するという手もあります。
ロバート・ウォルターズ
ロバート・ウォルターズは、語学力を活かした転職に強い人材紹介会社です。
英語力が必要な求人を数多く取り扱っているので、外資系で働きたい人や、翻訳に限らず語学力を活かした仕事につきたい人にオススメです。
ロバート・ウォルターズでは、正社員案件だけではなく派遣案件も取り扱っています!
2021年3月24日現在、翻訳関係の公開求人は17件で、派遣と正社員は半々程度といった印象でした。
ロバート・ウォルターズには非公開求人もたくさんあるので、もし非公開求人も含め求人を紹介してほしいということであれば、まずはエージェントにキャリア相談することをおすすめします。
→https://www.robertwalters.co.jp/
リモート正社員求人
最近はコロナの影響で、リモート求人も増えています。
また、人手不足が深刻化していることから女性の雇用を促そうと、女性の働きやすさに配慮した人材紹介サービスも増えています。
今回はその中から面白そうなサービスを見つけたので、ここでご紹介します!
リモワ女子
リモワ女子は、場所に捉われない「リモートワーク」を紹介する人材紹介サービスです。
リモワ「女子」ですが、男性も利用することができます。
リモート求人を紹介するサービスはたくさんありますが、リモワ女子は「正社員求人」に絞って求人を紹介してくれるところが新しい!
在宅勤務しかできないから正社員は無理・・・
とあきらめていた方にもチャンスがあるかもしれません。
ウェブサイトの「活躍できる職種」例に翻訳・通訳はありませんが、わたしのこれまでの経験上、この手のサービスと翻訳・通訳はかなり相性がよく、問い合わせてみる価値はあります。
リモートでも正社員として働きたい方は、ぜひ一度転職相談を受けてみてください。
翻訳正社員の収入はどれくらい?
ここまで、翻訳正社員になるのにおすすめのサービスを紹介してきましたが、そもそも翻訳正社員はどれくらいの年収がもらえるのでしょうか?
ざっとみたところ、
翻訳正社員の年収 = 400~600万円
といったところでした。
400万と600万じゃ大違いなんだけど・・・
ですよね!
基本的な傾向として、あまり高いスキルが必要でない業務や会社の規模が小さい場合は年収が低くなります。
一方で、高いスキルや経験が必要な業務、難易度の高い業務などは年収が高めです。
また、若い場合は年収も安くなりがちです。
このあたりは一概には言えないので、転職エージェントの担当者などに自分の年齢での年収相場を確認してみるといいでしょう。
翻訳正社員求人の特徴3つ
では、翻訳正社員求人にはどのような特徴があるのでしょうか。
翻訳正社員求人の特徴は、主に次の3つです。
- そもそもの数が少ない
- 純粋な翻訳業務は少ない
- コーディネーター職が多い
1つずつ解説していきますね。
そもそもの数が少ない
翻訳職の求人は数がかなり少なく、特に地方で見つけるのは困難です。
なので、翻訳の正社員求人を見つけたいのであれば、
- なるべく求人数の多いサイトを利用する
- (地方在住者の場合)必要であれば大都市に引っ越す
ことが必要です。
特に、正社員案件は派遣とは違い、まだまだ完全リモートの案件が少ない印象です。
地方在住者の場合は派遣案件を狙うか、必要に応じて大都市圏に引っ越す覚悟が必要です。
純粋な翻訳業務は少ない
業務内容が「翻訳」だけの求人は、とても数が少ないです。
大半の求人が、事務作業や通訳など、ほかの業務を兼任するものになっています!
正社員翻訳者を目指すのであれば、就業後のミスマッチを減らすため、求人紹介や応募時に、
- ほかにどんな業務があるか
- 翻訳との業務比率はどの程度か
を確認しておくとよいでしょう。
コーディネーター職が多い
「翻訳」案件に絞って求人検索をすると、コーディネーター職が割とたくさん出てきます。
翻訳コーディネーターとは?
企業から翻訳の依頼を受けたとき、それを自社に登録している適切な翻訳者に依頼する仕事をするのが翻訳コーディネーターです。社内と社外をつなぐ役割を担っています。
「翻訳コーディネーター」と「翻訳」がつくので、翻訳をする仕事かと誤解しがちですが、コーディネーターは基本的には翻訳をすることはありません。
コーディネーターはどちらかと調整能力の必要な業務です。
いざ始めてみたら思ってたんと違う!
とならないように、エージェントや応募先に企業にきちんと業務内容を確認しておきましょう。
正社員で働くメリット・デメリット
ここからは、翻訳正社員で働くメリット・デメリットを紹介します。
まずはメリットから!
メリット
翻訳正社員のメリットは次の3つです。
- 収入が安定する
- 社会保険に加入できる
- 翻訳以外のスキルも身につく
順番にみていきましょう!
収入が安定する
正社員の最大のメリットは、収入が安定することです。
逆に言うと、フリーランスの最大のデメリットは収入が安定しないことなんですね。
フリーランスの場合、今月は30万収入があっても、来月やその先どうなるかは誰にも分かりません。
突然依頼が途切れて収入がゼロ・・・なんてこともないとは言い切れない。
それがフリーランスです。
その点、正社員は働き続けている限り、収入は保証されています!
多少の増減はあるかもしれませんが、毎月一定の収入があるのが正社員の最大の魅力です。
収入のアップダウンに耐えられない人や、家族がいて生活を支える必要がある人は、正社員がおすすめです。
社会保険に加入できる
正社員になると、社会保険に加入することができます。
社会保険って何かって?
それは、
- 健康保険
- 介護保険
- 雇用保険
- 厚生年金
の4つです。
特に厚生年金があるのはサラリーマンのメリット!
これがあるだけで、老後の年金がぐっと増えるんですね!
このほか健康保険も、会社によっては国民健康保険よりも大幅に安いのでおトクです。
フリーランスはこの4つを自分でなんとかしないといけないので、結構大変です。
仕事がなくなっても雇用保険はもらえないし、年金は国民年金のみ。
正直ちょっと・・・・いや、結構不安です
なので、
- 将来への不安を小さくしたい人
- 何かあったとき(失業など)の保険がないと不安・・・という人
こんな人は、正社員が向いています。
翻訳以外のスキルも身につく
先ほど、「業務内容が翻訳だけの求人は少ない」と書きました。
これは、裏を返せば「翻訳以外の業務経験が積める」ことを意味します。
たとえば「翻訳+経理」なら経理のスキルが身につきますし、「翻訳+マーケティング」ならマーケティングスキルも身につきます。
翻訳以外の知識や経験は翻訳自体にも役立ちますし、翻訳職以外に転職したくなった場合にも有利です!
これはフリーランス翻訳者にはない特権なので、どうせなら自分の興味のある分野+翻訳の仕事を探してみてくださいね。
デメリット
翻訳正社員のデメリットは、
- 柔軟な働き方ができない
- 出社が必要
- 異動がある
ことです。
1つずつ確認していきましょう。
柔軟な働き方ができない
正社員は基本的に勤務時間が決められています。
フレックスを導入している企業もありますが、基本的には平日の9時~18時などの枠組みで働く必要があります。
また、休む場合には事前に周囲と調整する手間があったり、子どもの病気などで数日休む場合には周りに気兼ねしたりと、会社勤めならではの気苦労もあります。
独身の場合はそれほど問題にならないかもしれませんが、子どものいる主婦や介護中の人にとっては、柔軟に働けないことや拘束時間が長いことは大きなデメリットです。
出社が必要
フリーランス翻訳者の場合、基本的に在宅勤務なので出社は不要です。
一方で翻訳正社員は出社が必要です。
コロナの影響でリモートワークが増えましたが、翻訳正社員求人をざっと見る限り、リモートワークが増えている印象はありませんでした。
リモート求人の数でいえば、派遣の方がまだ多い印象があります
「通勤電車が苦手」「なるべく自宅で働きたい」という方は、派遣を狙うといいでしょう。
異動がある
正社員の場合、会社側の都合で職種が変わることがあります。
仮に「翻訳」の職種で入ったとしても、会社の方針変更や事業撤退などの都合によって、翻訳とは関係のない職種に変わる可能性があります。
もちろんその場合は転職することもできますが、年齢が高い場合はそう簡単にはいきません
翻訳正社員で入社する場合は、異動がある可能性があることを十分理解し、もし異動になったらどうするかを視野に入れてキャリアを組み立てていくことをおすすめします。
正社員がオススメなのはこんな人!
では、正社員がオススメなのはどんな人でしょうか?
ずばり、正社員がオススメなのは次の4つに当てはまる人です。
- 家族がいる人
- 大都市圏に住んでいる人
- 安定志向の人
- 比較的若い人
順番に解説していきます。
家族がいる人
養うべき家族がいると、毎月決まった収入が必要です。
特に子どもがいて教育費がかかる場合、突然収入が激減すると子どもの進路に影響が出てしまうかもしれません。
このようなケースでは、ある程度安定した収入が得られる正社員がおすすめです
もし家族や子どもがいても、パートナーに安定収入がある場合は、多少収入に波があっても乗り越えられます。
各家庭の状況に応じて、柔軟に判断してくださいね。
大都市圏に住んでいる人
翻訳正社員求人は、圧倒的に大都市圏(東京・大阪)に多いです。
コロナの影響でリモートワークが増えてはいますが、コロナが落ち着けばリモートワークは解除されるでしょう。
そう考えると、「リモートワークができるから」と安易に応募するのはおすすめできません
一方で大都市圏に住んでいる人であれば、引越をしなくても通勤できます。
求人の選択肢の多さや、リモートワークと在宅勤務を柔軟に切り替えられることを考えると、翻訳正社員求人は大都市圏に住んでいる人と相性がいいと言えます。
安定志向の人
フリーランスは収入に波があります。
その上、先の収入は一切補償されていません。
安定して仕事があるうちはいいですが、ふっつりと仕事が途切れると相当不安になります。
そして、なぜだか年に数回、ふっつり仕事が途切れることがあるんです・・・
こういったとき、ゆったり構えていられる人、その時間を有意義に使える人はフリーランス向きです。
一方で、このアップダウンに耐えられない人や、老後(年金)の心配をしたくない人は正社員がおすすめです。
比較的若い人
正社員翻訳者はとても魅力的な働き方ですが、基本的に転職ができるのは40歳以下の若い人です。
40歳中盤以降になると、正社員になりたくてもかなりむずかしいでしょう。
なので、翻訳正社員を狙うのであれば若いうちです
35歳くらいまでで翻訳正社員に興味があるのであれば、ぜひ可能性のあるうちに挑戦してみてください!
ケース別Q&A
ここでは、翻訳正社員に関するよくある質問に答えていきます。
未経験なんだけど・・・
年収の高い案件や難易度の高い業務では、実務経験が必須です。
ただ、すべての案件で実務経験が必要なわけではありません。
一定の要件さえ満たしていれば未経験でも応募できる案件は多いので、転職エージェントの担当者などに確認してください。
ちなみに年齢が上がれば上がるほど、未経験での転職はむずかしくなります。
正社員案件を狙うなら若いうちが有利です!
資格は必要なの?
翻訳正社員案件に応募する場合、TOEICスコアが必要なケースが多いです。
TOEICのスコアは案件によってさまざまですが、翻訳比重の多い業務の場合、TOEIC800~850点以上が目安になります。
未経験応募可の案件ではTOIECスコアの記載がない場合がありますが、このような場合でも、少なくとも750点以上は取っておきたいところ。
もしスキルの高い応募者がほかにもいた場合、やっぱり不利になってしまうので!
年齢が高いんだけど・・・
年齢なんて気にせず頑張れ!
といいたいところですが・・・・
一般的に転職する場合、年齢が高い方が不利です。
特に未経験から翻訳正社員案件に応募する場合は、35歳を過ぎているとかなり厳しいです。
実務経験がある場合でも、40~45歳を超えるとむずかしいでしょう
基本的に40を過ぎて新たに翻訳に挑戦する場合は、派遣かフリーランスの方がおすすめです。
フリーランス翻訳者は40〜50代が最多の年齢層なので、40から始めてもまったく見劣りしませんよ!
まとめ
この記事では翻訳正社員を目指す場合におすすめのサービスや、翻訳正社員のメリット・デメリットなどをお伝えしてきました。
実はわたしも翻訳正社員に興味はありましたが、長時間の勤務がむずかしいことや、時間の融通が利きにくいことから、結局応募できないまま今に至っています。
今は地方在住でさらに選択肢が少ないから、結局正社員経験はできずじまいで終わりそう・・・
翻訳正社員案件は、何歳まででも応募できるものではなく時間制限があります。
ぼんやりしているとあっという間に応募できる年齢を過ぎてしまうので、少しでも興味があるなら早いうちに動いてくださいね!
翻訳には正社員のほかにも、派遣やフリーランスといった働き方もあります。
派遣求人の探し方やフリーランスの働き方については別の記事で詳しく解説しているので、興味があればぜひ読んでください!
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