翻訳に興味があるけど、翻訳って本当に稼げるの?
こんな疑問を持っていませんか?
実はわたしも初心者の頃、同じ心配をしていました。
何でかよくわからないけど、「翻訳じゃ食えない」って今も昔もよく言われるんですよね・・・
でも、そんなことありません!
わたしはもうこの道10年ほどですが、今でも全然稼げてます!
この記事では、翻訳で稼げるのかどうか心配なあなたに、翻訳者のリアルな収入と稼ぎやすい人の特徴をくわしく紹介しています!
読むと不安が吹き飛びますよ!
翻訳はまだまだ稼げる
翻訳者の収入
そもそも翻訳者ってちゃんと稼げているんでしょうか?
まずは翻訳者の収入を見てみましょう!
出版翻訳 | 映像翻訳 | 実務翻訳 | |
---|---|---|---|
100万円未満 | 4 | 6 | 20 |
100万円〜200万円未満 | 4 | 6 | 11 |
200万円〜300万円未満 | 2 | 3 | 21 |
300万円〜400万円未満 | 2 | 7 | 19 |
400万円〜500万円未満 | 8 | 19 | |
500万円〜600万円未満 | 1 | 3 | 8 |
600万円〜700万円未満 | 4 | 6 | |
700万円〜800万円未満 | 2 | ||
800万円〜900万円未満 | 3 | ||
900万円〜1000万円未満 | 3 | ||
1000万円以上 | 1 | 2 | 3 |
出典:通訳者・翻訳者になる本2022(イカロス出版)
↓こちらは、各ジャンルの平均年収です。
出版翻訳 | 映像翻訳 | 実務翻訳 | |
---|---|---|---|
全体平均 | 300万円 | 413万円 | 411万円 |
男性の平均 | 350万円 | ー | 496万円 |
女性の平均 | 263万円 | ー | 381万円 |
出典:通訳者・翻訳者になる本2022(イカロス出版)
どうですか?
多い人なら1,000万円以上稼げてますね!
日本人の平均給与は436万円(令和元年)なので、これと比べてもそこまで悪い数字ではありませんよね。
この数字だけみると、翻訳者はまだまだ稼げていると言えるでしょう。
でも、年収200万円以下の人も結構たくさんいるみたいだけど・・・
ん?そこやっぱり気になっちゃいます?
これについては次の項目で説明します!
翻訳者の収入が低いのは○○のせい
翻訳者の中には女性が多く、今回の調査の回答者でも、映像翻訳は95%、実務翻訳は78%が女性でした。
当然ですが、女性の中には育児や介護をしながらお仕事をしている方がたくさんいらっしゃいます。
こういった方たちの中には、
- 子どもが保育園に入れなかった
- 子どもとの時間を優先したい
- どうしても育児や介護に時間と体力が奪われる
などの理由で、長時間働けない方がたくさんいます。
実際わたしも、子どもが3人いて育児に手を取られるので、1日6時間前後しか働けていません
土日ももちろん働けません。
フリーランスは基本的に働いた分だけ収入が上がります。
逆に言うと、働く時間が短いと収入が下がります。
上で示したグラフの「低い年収ゾーン」には、もちろん単に稼げていない人も含まれています。
ただ、育児や介護中の女性のように、「あえて仕事をセーブしている」「今は時短にせざるをえない」などの理由で、「本来は稼げるのに稼げていない」人も多く含まれるであろう点には注意が必要です。
表を見ても分かるとおり、翻訳者の平均収入には、男女で大きな差がありますよね!
女性の平均年収は、上に書いたような理由からやや低めに出ていますが、男性の平均年収で見ると、日本人の平均と同程度かやや高いくらいです。
そう考えると、「翻訳はめちゃくちゃ稼げる!!」わけではないとしても、「普通に稼げる」と考えて問題ないのではないでしょうか?
とはいえこんな人はやめとけ
ここまで読んで、翻訳はまだまだ稼げることがお分かりいただけたかと思います!
ただ、そうは言っても翻訳で稼げない人はたくさんいます。
こんな人は翻訳者になっても稼げないので、当てはまる人は翻訳者になるのはやめておきましょう!
- ラクして稼げると思っている
- 英語力だけで稼げると思っている
- 翻訳スキルを磨いていない、磨く気がない
- クラウドサービスを使うことしか頭にない
1つずつ説明していきます!
ラクして稼げると思っている
コロナによる不況の影響で、最近は副業が注目されています。
インターネットでも、翻訳がさもラクに稼げる副業であるかのように言われていますよね!
翻訳は決してラクに稼げる副業ではありません。
稼ごうと思えば、それなりに勉強や訓練が必要です。
何の努力もせずに、カンタンに稼ごうと思っているのであれば、期待はずれに終わるのでやめておいた方がいいでしょう。
英語力だけで稼げると思っている
翻訳で稼ごうと思ったら、英語力だけでは不十分です。
英語力のほかにも、専門分野の知識や調査能力、ツールを使いこなすスキルなど、さまざまな力が必要です
英語力だけで翻訳はできませんし、できたとしても商品価値の低い=安い翻訳にしかならず、大金を稼ぐことは不可能です。
翻訳で本当に稼ぎたいのであれば、まずは分野を絞り、その専門分野の知識を身につけましょう。
翻訳スキルを磨いていない
翻訳は、ただ英語を日本語(または日本語を英語)にすればいいというものではありません。
英語の内容を、なるべく自然な日本語で過不足なく伝えるのが翻訳という仕事です
さらに、各分野に特有のルールや用語も取り入れて訳す必要があります。
これまで学校教育でしか英訳や和訳をやってこなかった人が、急にできるものではありません。
少なくとも専門書籍を買ってきて勉強するか、スクールに通って翻訳技術を身につける必要があります。
翻訳スキルも英語力と同様、十分に磨かないと安い翻訳にしかなりません。
クラウドサービスを使うことしか頭にない
確かに最近は、翻訳会社に登録しなくても、クラウドサービスで翻訳を受注できるようになりました。
クラウドサービスは仕事を受注するまでのハードルが低い反面、単価は翻訳会社よりもかなり安く設定されています。
なので、いくらクラウドサービスで仕事をしても、労働の割に稼げず疲弊するばかりです。
いくらでもいいから稼げればいいのであれば止めませんが、稼ぎたいのであればオススメはしません
稼ぐためには単価を上げる必要があり、そのためには翻訳会社に登録するのが近道です。
収入だけじゃない翻訳者の魅力
初心者の頃は「稼げるか稼げないか」ばかりに目が行きがちですが、実は翻訳の魅力は収入だけではありません。
翻訳には、仕事自体や、在宅翻訳者という働き方に大きな魅力があります。
その魅力についてはこちらの記事で詳しく紹介しているので、ぜひ読んでみてくださいね!
稼ぎやすいのはこんな人!
では、翻訳者として稼ぎやすいのはどんな人でしょうか?
ここでは3つ特徴をあげて説明していきます。
自由に時間が使える人
翻訳者の収入は、次のように決まります。
収入 = 1文字あたりの単価 × 翻訳した文字数
なので、収入を上げるには、単価か文字数のどちらかを上げればいいということになります。
単価を上げるのはむずかしいですが、文字数ならば自分の努力次第で何とでもなります。
たとえば、業務を効率化して翻訳スピードを上げることもできますし、単純に働く時間を増やして処理できる文字数を増やすこともできます。
自分の時間を自由に使える人は、労働時間を増やしやすいので、その分収入も増やしやすいです!
わたしのように育児中だと、どうしても使える時間が限られてしまうので、なかなか仕事の時間を増やして収入を上げるということができません。
そういう意味で、家族のいない独身の方や、子どもに手のかからなくなった年配の方々は、比較的稼ぎやすいといえます。
特定分野の専門知識がある人
こちら↓の記事でも触れましたが、専門分野のある人は翻訳業界ではかなり強いです。
何らかの分野で専門知識のある人には、こんなメリットがあります。
- 原文を早く正しく理解できる
- 調査に時間がかからないので早く翻訳できる
- 用語の選定でミスが少ない
- 専門家が読んで違和感のない文書に翻訳できる
翻訳会社の方でも専門知識のある翻訳者をほしがる傾向があります。
また、単価も比較的高めからスタートできるので、専門分野のある人はそうでない人よりも、早くたくさん稼げる可能性が高いです。
直取引先のある人
こちらの記事にも書きましたが、翻訳会社を通して仕事を引き受けると、翻訳者に支払われる金額は実際の受注額の半額程度になってしまいます。
実際、翻訳会社を間に入れない直取引では、翻訳者の単価は2倍近くに跳ね上がります。
このことから、翻訳者が稼ぎたいなら、直取引先をいかに増やすかということが重要になってきます!
ただ、直取引先を探すのはかなりむずかしく、翻訳者の中でも直取引先のある人はあまり多くありません。
ですので、もしこういった直取引先に心当たりがあるのであれば、他の人よりも稼げる可能性は高いでしょう。
稼げる翻訳者になるために
これから翻訳者になりたいんだけど、どうやったら稼げるの?
ここではそんな疑問をお持ちの方のために、稼げる翻訳者になる方法3つをお伝えします!
これだけはやめとけ!
稼げる翻訳者になるためには、絶対にやってはいけないことがいくつかあります。
それは、「クラウドソーシングを中心に仕事をする」ことです。
クラウドソーシングには、ランサーズやクラウドワークスはもちろん、ココナラや、スピード翻訳・YAQSなどのいわゆるウェブ翻訳サービスも含みます。
よく分かってない副業記事なんかだと、このへんのサービスを使うとラクに稼げる!みたいに書いていますが、完全にウソです。
実情を知らない人が、ロクに調べもせずに書いている記事なので、初心者の方は注意してください。
クラウドサービスをオススメしない理由は、次のとおりです。
- 単価が安すぎる
- 単価が安いくせに高い品質を求められる
- ほとんど実績にならない
- AIの進化により近いうちに仕事がなくなる
まずは、単価が安すぎます。
クラウドサービスの単価は、高くても翻訳会社経由の半分ほど、安いと20分の1以下なんてこともあります
これだけ安いのだから、こちらとしてはGoogle翻訳なんかでざっと訳し、あとはチェックだけして納品したいところです。
ところがこういった発注者に限って、「Google翻訳は使わないでください」「Google翻訳とマッチした場合は支払いません」なんて書いています。
どの業界でもそうですが、お金も出さないのに高い品質を求めてくる客にロクな人間はいません
ハッキリ言って、関わるだけ損なことも多いです。
しかも、こういった案件を必死でやっても、翻訳会社からは実績として評価されないことも多いです。
翻訳会社が求めているのは、「ちゃんとした翻訳会社で積んだ実績」だからです。
さらに、こういった低価格・低品質の翻訳は、機械翻訳が広まるにつれ、一番最初になくなってしまいます。
実際、一時期大量に出ていたクラウドワークス系の翻訳案件も、最近はめっきり数が減りました。
おそらくかなりの数が、Google翻訳やDeepLなどの機械翻訳で処理されているのでしょう。
つまり何が言いたいかというと、
クラウドサービスで翻訳を続けても、稼げない上にスキルも身につかず、あなたが疲弊していくだけ
だということです。
それならば、その時間を翻訳学習にまわし、少しでも早く翻訳会社のトライアルに合格した方がよほど稼げます
もし実案件の緊張感を味わうために案件を受けてみたいのであれば、せめて翻訳会社の半分以上の単価になる仕事を選んで受けるようにしてください。
積極的に情報収集をする
翻訳業界では、プロの翻訳者が積極的に情報発信をしています。
こうした情報の中には、学習の参考になるものや、プロとして仕事をする上で知っておいた方がいいことがたくさん含まれています
もちろんイベント情報も流れてきます。
最近はコロナの影響で、オンラインでのイベント開催も増えています。
オンラインなら地方からでも気軽に参加できるのでオススメです。
右も左も分からない初心者のうちは特に、第一線のプロが何を見て何を考えているかを知るのはとても勉強になります。
わたしも駆け出しの頃は、積極的に勉強会に参加していました!
勉強会の場で、「スキルを安売りしないこと」や「品質を高める工夫や方法」を知り、それがとても役に立ったのを今でもハッキリと覚えています。
最近はタダでもいろんな情報が手に入ります。
インターネット上でもさまざまな翻訳コミュニティが活動しているので、興味があればぜひ参加してみてください!
投資を惜しまない
どうせならタダで勉強したい。
そう考える人は多いし、その気持ちはとてもよく分かります。
ただ、何かを新しく身につけるときには、お金を出して情報を集めたりサービスを受けたりする方が、目的地に早くたどり着けます。
翻訳も、何がなんでも独学でやろうとすると、翻訳会社のトライアルに応募するための実務経験がいつまでも積めず、最悪の場合あきらめてしまうこともあります。
それなら最初からお金を出して、卒業後に提携トライアルを受験できるスクールに行った方が確実に近道です
何度も言っていますが、翻訳スクールは英会話スクールやプログラミングスクールよりもはるかに受講料が安く、かなりオトクです。
しかも最近はオンラインで全国どこからでも受講できます。
最短距離で、しかも確実に稼げるようになりたいのであれば、ある程度の自己投資は惜しまず、自分に必要なものを積極的に取り入れてください!
まとめ
繰り返しになりますが、翻訳はまだまだ稼げる仕事です。
ただ、ネットの怪しい記事に書かれているように、「ラクして稼げる」仕事では決してありません
もちろん努力が必要だし、最短距離で目的地にたどり着くにはある程度の自己投資も必要です。
でも、一旦翻訳者になってしまえば、働く場所も時間も自分で自由に決められる柔軟な働き方が可能です!
このブログでは、みなさんが怪しい情報に騙されないためにやや厳しいことも書いていますが、翻訳者になるのは決して狭き門ではありません。
それはわたしの体験談を読んでいただいても分かるはず。
翻訳という仕事に正しいイメージを持って、ある程度の勉強が必要という覚悟ができたら、あとは行動あるのみ!
失敗してもいいから、まずは第一歩を踏み出してみましょう!
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