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わたしが翻訳者になったきっかけ|主婦が未経験から在宅翻訳者を目指した6つの理由

私が翻訳者を目指したのは10年以上前のことです。

もともと私は英語が得意で、できれば英語を使う仕事がしたいと思っていました。

ところが卒業後に働いた会社では、英語を活かす機会はありませんでした。

でも、仕事自体が楽しかったので、案外不満は感じませんでした

ただ、出産を機に、今の会社や会社員で働くことにどんどん疑問やもやもやが増えてきて、最終的に翻訳ならそれを解決できると考えた。

ざっくり言うと、これが私が翻訳者を目指したきっかけです。

私は今でもこの決断にとても満足しているし、ストレスなく「自分で自分の人生を選んで生きていける」翻訳者という仕事をとても愛しています。

この記事では、私が翻訳者を目指したきっかけを、深く掘り下げて紹介しています。

もうかれこれ10年以上前のことなので、記憶の糸をたどりながら頑張って書きました

翻訳は別に「すごい人」が「高い目的意識を持って」始めるわけではありません。

みんな最初は普通の初心者で、色々悩みながらスキルを磨き、キャリアを積んでいます。

翻訳を始めようか悩んでいる方。
もう学習を始めていて、翻訳者になれるか不安を感じている方。

私みたいな凡人でも、ふとしたきっかけから翻訳者になれたんです!

ぜひ自信を持って、翻訳者への第一歩を踏み出してくださいね。

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目次

きっかけは出産

私が翻訳の学習を始めた一番のきっかけは出産です。

出産まで私は、東京のとある大企業に勤めていました。

大学院を卒業してから2つめの会社でした。

福利厚生が非常に充実していて、育休は当時としては珍しく、なんと最長3年も取れました!

私はこの「充実した福利厚生」に魅力を感じて、この会社に入っていました。

ところが、子どもを産み育てやすい環境に魅力を感じて選んだ会社のはずなのに、いざ子どもが生まれてみると、この会社で働き続けることに対して疑問を感じ始めました。

最初は小さかったこの疑問が次第に大きくなり、どうにも無視できなくなってきたとき、これまでフタをしていた「翻訳」への興味が再び顔を出し始めたんです。

そして色々考えたすえ、最終的に翻訳で食べていくことを決めた。

これが私のストーリーです。

それまでのキャリア

ここではまず、大学卒業〜出産までのキャリアを簡単に紹介していきたいと思います!

大学卒業まで

私は関西の出身で、大学院まで関西にいました。

英語に出会ったのは中学校の時。

私の両親は子どもの教育にまったく関心がなく、英語の塾に行ったこともなければ、身近に英語の本もありませんでした。

なので、中学に入るまで私はローマ字しか知りませんでした

中学で出会った英語を、わたしはすぐに好きになりました。

成績もよくて、中・高と英語はいつも得意教科でした。

大学では国際協力の勉強をし、大学院まで進みました。

別に研究者になろうと思っていたわけではなくて、大学が楽しすぎて、できるだけ長くいたかったんです。

完全なモラトリアム野郎でした・・・・

それに私が大学を卒業する頃は就職超氷河期だったので、2年でも先延ばしすれば状況は少しは変わるかもと期待したのもありました。

在学中に一度は留学したかったので、大学院在学中に1年間交換留学生としてオーストラリアに留学しました。

日本の大学はぬるま湯でしたが海外の大学は厳しく、このときは大学在学中を通じて一番勉強しました。

学期始めに渡されるぶあつい英語の資料をひたすら読み、レポートを書くの繰り返しで、この1年で英語力がぐんと上がりました。

おかげで、帰国後すぐに英検1級を受けましたが、特別な対策もしていないのに合格しちゃいました

これには自分でも驚きました。

この頃から、TOEICも900点を余裕で超えるようになりました。

まぁこんな感じでふざけた大学生活を送っていました。

大学時代はとにかく楽しかった。

生まれて始めて人生が楽しいと思いました。

今でもこの大学時代は、私の心の中の大事な場所にあります

そんなこんなで大学・大学院に4年+3年(交換留学1年)の合計7年間通い、わたしは愛知の会社に就職しました。

就職

愛知の会社では、生産管理部に配属されました。

取引先は国内のみで、完全に英語を使わない部署でした。

配属希望の時に、「後でしんどいよりは最初にしんどい方がいい」みたいなことを言った覚えはありますが、今考えてもなぜこの配属だったのかは分かりません・・・。

仕事自体は楽しかったし、上司もすごい人ばかりでめちゃくちゃ勉強になりました。

英語は全く使いませんでしたが、それほど気にしていませんでした

私は同期の中ではできる方だったらしく、かなり期待されていました。

なので、他の同期よりも、もっと言えば先輩よりも、多くの仕事を任されていました。

それなのに、給料は同じか安い。

私は日本の会社にありがちなこの仕組みに、少しずつ違和感を感じ始めていました。

生意気な新入社員でしたね(笑)

会社自体は楽しかったし気に入っていましたが、大学時代から付き合っている彼氏と結婚するために、この会社は3年でやめて東京に引っ越しました。

引越と転職

結婚と同時に東京に引っ越し、新しい会社に転職しました。

同じように生産管理の仕事で、今度は海外とも取引のある会社でした。

前よりは英語を使う機会が増えました(といってもちょっとしたメールと週1のテレビ会議くらい)

この会社は東京では珍しく車通勤ができ、毎日車で1時間くらいかけて通っていました。

前の会社もそうでしたが、朝8時~夕方5時が定時なので、毎日朝7時に家を出て、帰りは早くて18時でした。

転職した会社は、びっくりするほど仕事がつまらなかったです。

めちゃくちゃ大きい会社なのですが、古い会社なので風通しが悪く、手続き1つ取っても前の会社では電子申請できたものを、いちいち上長のところに書類を持って行ってハンコをもらうスタイルでした。

前の会社は「仕事ができるやつは定時で帰る」みたいな意識だったのに、新しい会社では「社員が定時で帰るなんてけしからん」みたいな風潮だったので、とても違和感がありました。

非効率な部分が多く、居心地が悪かったです。

転職して1年くらいでリーマンショックが起こり、その少し後で妊娠が分かりました。

生産調整のため会社が休みになることも増えたので、妊婦には有り難かったです。

働き始めて2年目の冬に産休に入ったのですが、その3ヵ月位前に部署を異動しました。

そのせいで、たいして部署になじめないまま産休に入ることになりました。

妊娠・出産を機に考えたこと

子どもと仕事をてんびんにかける

転職・出産して3年目の春に子どもが生まれました。

実は私は大学生時代はバリバリのキャリア志向で、「将来は出世してやる!」と強く思っていました。

ところがこの頃には、出世することに大して意味を見いだせなくなっていました

子どもが生まれましたが仕事は続けるつもりだったので、必然的に子どもはいずれどこかに預けることになります。

そう考えると、自然と「子どもを預けて働くだけの意味のある仕事がしたい」と思うようになりました。

その頃勤めていた会社の仕事には、上にも書いたとおりやりがいを全く見いだせていませんでした。

かといって、転職したところで新しい会社がいい会社とも限らないことを、私は1回の転職経験で学んでいました。

ワークライフバランス

そのほか、仕事と育児のバランスについても考えました。

当時の会社は定時が8時~17時だったので、フルタイムで働くなら7時~18時は自宅を離れていることになります。

子どもが小学校に上がるまでは時短勤務ができたので、それを活用して勤務時間を9時~16時にすれば、家を出るのは7時半、帰宅は17時半くらいにはできるでしょうか(保育園の送迎30分を考慮)。

ただそうすると、ただでさえ「長く会社にいる者が偉い」という風潮のある当時の会社では大した仕事はできないだろうし、ますます働いている意味が分からなくなる。

それに、子どもは複数を希望していたので、子どもが増えたとき、この短い在宅時間で家事も育児もこなせるとは、当時の私にはとても思えませんでした。

子どもが大きくなったときのこと

それに、子どもが大きくなって小学生になったら、もう時短勤務は使えなくなります。

そうすると、毎日子どもより早く家を出て、子どもより遅く帰ることになります。

小学校入学後や、もう少し大きくなって複雑な年頃になると、きっと親の見守りが必要なときが出てくるはず。

そんなとき、何もできなくてもなるべく側にいて見守ってあげたい。

でも、朝早く家を出て遅く帰る生活じゃ、それは難しいだろうなと感じていました

また、定時に会社を出ても帰宅が18時と考えると、どう考えても残業は難しい。

時短勤務が終わっても当面は定時帰宅が続くとなると、やっぱりやりがいのある仕事が任される可能性は低いと思いました。

結局、いくら考えても行き着くところはいつも同じで、

  • 今の会社では、子どもを預けて働くだけのやりがいのある仕事はできない
  • 今の会社では、子どもとの時間が十分取れない
  • 転職しても、結果は変わらないかもしれない

ということでした。

そこで初めて、「会社じゃない働き方を視野に入れた方がいいのかもしれない」と考え始めました。

なぜ在宅翻訳だったのか

「じゃぁどうしよう」と考えたとき、ふと思いついたのが翻訳でした。

実は、就職活動の時にした適職診断で、なぜか「通訳・翻訳」が私の適職第1位にあがっていて、それ以来何となく「翻訳」や「通訳」という仕事が気になってはいました。

ただ、真剣に考え始めたのはこれが初めてでした

では、なぜ「翻訳が何となく気になる」ところから、「翻訳者になろう!」と決心するに至ったのでしょうか?

主な理由は以下の6つです。

得意の英語が活かせる

まず、翻訳者は自分の好きな英語が活かせるのがいいなと思いました。

卒業以来何度か受けている(会社でなぜか毎年受験させられた)TOEICでは常に900点以上はキープしていましたし、翻訳の勉強を始めるにしても絶対有利なスタートラインに立てると思いました。

在宅でできる

では、なぜ通訳者ではなく翻訳者だったのかというと、

  • 英語のリスニングやスピーキングに自信がなかった
  • 通訳者は外出が必要だけど翻訳者は在宅でできる

からでした。

私が学校教育を受けていた頃の英語教育は、「読む」「書く」が中心だったので、話したり聞いたりする機会はほとんどなく、私も苦手意識を持っていました。

当時は今みたいにYouTubeやネットテレビがなく、外国の音源もカンタンには手に入りませんでした。

なので、中高生が生の英語に触れられるのは、NHKの語学講座くらい

それも、CD付きは高いし、かといってリアルタイムでラジオを聞いたり録音するのも継続が難しい。

結局、留学するまでほとんど英語を聞いたり話したりする機会はありませんでした。

留学でかなり鍛えられましたが、それでもとっさには出てこない、言いたいことが思い通りに伝えられないことはよくありました。

その点、翻訳なら分からなくても納得いくまで調べられ、その場ですぐ答える必要がありません

私にはこっちの方が向いてるなと思いました。

また、通訳者はなんだかんだ言っても、会議なら会議の場に、社内通訳なら会社に出向かないと仕事ができません。

  • 最近はコロナの影響で少し状況が変わってきています

翻訳者なら自宅でできるので、通勤も不要だし、何より家にいるのが好きな私にはぴったりだと思いました。

 通訳者と翻訳者の違いについて詳しくはコチラ!

自分でスケジュールを立てられる

会社やパートで働いていると、自分の都合で度々休むことはできません。

休むとなると、他の社員との兼ね合いや業務スケジュールなど、いろいろ気を使うポイントがありますよね

でも、翻訳者なら休むも働くも完全に自分の自由です。

何なら朝数時間だけ通院に時間を使って、終わり次第仕事をするなんてことも可能です。

子どもが小学校に上がるとPTAや参観で仕事を抜ける機会が増えます。

会社ならその都度まわりとの調整や休暇申請が必要ですが、翻訳者なら完全に自分の裁量で休むことができます。

休暇も度重なると本当に気を使うので、気兼ねなく休めるという翻訳者という仕事は非常に魅力的に思えました。

スキルが積み上がる

翻訳者は働けば働いただけ実務経験が増え、それが評価されます。

つまり、翻訳者として働いたスキルが確実に積み上がっていくんですね!

一方会社だと、私のように長年定時までしか働けないと、社内での評価が上がらずクビを切られたり、意思に反して子会社に出向させられたりすることもあるでしょう。

かといって社内評価のためだけに長時間働くのは避けたいし、純粋に成果だけで評価してくれる会社を探すのも大変そう。

そう考えると、純粋にスキルで評価される翻訳者は、分かりやすくて魅力的な仕事に思えました。

他人に人生を盗まれない

翻訳者は、自分が今後進む方向を完全に自分で決めることができます。

今の専門領域を深めたいのであればそれを深く追求することができますし、他の分野も手広くやりたいのであればそうすることもできます。

リスクももちろんありますが、誰かに自分の人生の選択権を握られていないというところがすごく魅力的だと思いました。

会社だとなかなかこうはいかないですよね

どこの部署に異動するか、はたまたひとつの箇所でずっと働くかは会社が決めることで、不本意なら退職せざるを得なくなることもあります。

「今度はこういう仕事がしたい」「あの部署に行きたい」と希望を出しても、よく分からない社内政治でなかなか実現しないこともありますよね?

そう考えると、会社で働いていれば必ずしも安心というわけではなく、どこででも働けるスキルを身につける方がむしろ長く幸せに働くことができるのかもしれないなと考えるようになりました。

働いただけ報酬が増える

会社では、いくら仕事ができてもさほど給料は増えません。

これは私が最初の会社で強く感じたことです

一生懸命働いて多額のコスト削減に成功しても、自分の給料は全く増えないってあるあるですよね。

それなのに、長年働いているというだけで、明らかに仕事のできない先輩の方が給料が多い・・・

これって結構ストレスじゃないですか?

翻訳者なら、自分のスキルが高ければ単価も上がるし、その分収入が増える。

それに、たくさん仕事をすればするほど単純に収入が増える

もちろん働かなければ収入はゼロになってしまうのでリスクはあるのですが、当時の私はこの分かりやすさがいいと思いました。

まとめ

子どもが生まれるということは、1人の人間に対する責任や愛情が生まれるということであり、人の考え方や生き方に大きな影響を与えます。

私も出産を機に仕事に対する見方が大きく変わり、様々な点で翻訳という仕事に魅力を感じて本格的に勉強を始めるようになりました。

これまで、このときの決断を後悔したことは一度もありません!

自分で人生のかじ取りをしながら、子どもの側にいられる生活にとても満足しています。

ふと立ち止まって人生や働き方を考える機会は、他にもたくさんあると思います。

今の働き方に疑問を感じたら、そして翻訳に少しでも興味があるなら、自分の理想とする生き方のために是非一歩を踏み出してください!

人間は、挑戦して失敗した場合より、挑戦しなかった場合に大きく後悔するといいます。

迷っているなら、まずは小さな事から行動を起こしてみませんか?

 【続編】わたしが翻訳者になるまでの経緯についてはコチラ!

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