- 今から翻訳の勉強を始めたいんだけどもう遅い?
- 翻訳者って何歳まで働けるの?
- 定年後に翻訳をしたいんだけど・・・
翻訳と年齢に関しては、いろいろな疑問があると思います。
今回は、翻訳と年齢に関する疑問に、わたくしもぐが一つ一つていねいに答えていきます!
この記事の信頼性
この記事は、以下の情報に基づいて作成しています。
JTF 2017年度翻訳白書
JTF(日本翻訳連盟)による業界調査です。
日本翻訳連盟は、翻訳・通訳に関わる企業・団体・個人の会員からなる産業翻訳の業界団体です。
業界調査は毎年行われるものではなく、3~5年に一度不定期に実施されています。
2017年度とやや古いデータのように思われますが、翻訳白書としては最新のものです。
業界調査では、通訳・翻訳業務を請け負っている全国の個人および企業をアンケート調査対象としており、2017年度の調査では557人の個人翻訳者・通訳者が回答しています。
翻訳者の年齢構成
まず、翻訳と年齢に関する疑問に答える前に、翻訳者の年齢構成をみていきましょう。
こちらは、2017年度翻訳白書完全版に掲載されているデータです。
40代が39.3%と最も多く、50代が30.0%と二番手につけていますね。
つまり、40~50代で全体の70%を占めており、比較的業界の年齢構成は高めになっていることが分かります。
そうなの?
じゃぁ40代前半は、どっちかっていうと若手なのね・・・・
そうなんです!
さらに、70代以上も3.1%います。
全体の母数が540人なので、70代以上でもお仕事をされている方は16人ほどいらっしゃるんですね!
わたしもまだまだ頑張らなきゃだわ!
ちなみに、業界全体としては男性よりも女性が多く、全体の約7割が女性です。
今から翻訳者を目指しても遅くない?
翻訳というのは、必ずしも若い方が有利ではない珍しい仕事です。
一般的な企業では、40代半ばを過ぎるとなかなか中途採用で入社するのはむずかしいですよね?
ところが、翻訳では40代未経験でもまだまだチャンスがあります!
20~30代で参入する人がとても少ないからです。
しっかりと専門知識を身につけ、トライアルで高品質な訳文を出せば、40代から始めても決して遅くはありません!
50代以降であれば、何か専門知識があると有利です。
たとえばある領域で長年に渡って実務経験を積んでいるのであれば、その経験をアピールすれば十分可能性はあります。
ただ、中高年で特に男性の場合、自分の経歴や訳文に自信を持ちすぎるのは禁物です。
これまでの職場ではベテランでも、翻訳の世界では新米です
そのことを十分理解して、間違いは素直に受け入れる、新人扱いされても腹を立てないなどの謙虚な姿勢が必要です。
翻訳者はいつまで働けるの?定年はある?
翻訳には定年はありません。
定年退職してから翻訳を始める方もいるくらいです。
上の表を見ると、70代過ぎまでお仕事をしていらっしゃる方が3.1%いらっしゃいますね。
80代以上の方はいらっしゃらないので、現実的には70代くらいまでは頑張れば仕事ができると言えるでしょう。
ただ、翻訳の仕事は座っているだけに見えてかなりハードです
目をかなり使うので、老眼が進んでくると長時間の作業は辛くなるでしょう。
また、腰を悪くしている場合には、長時間座って作業するのは大変です。
この他、年齢とともに集中力が落ちてくることもあるでしょうし、高齢になっても納期に追われるのは大変です。
最終的には、肉体的・精神的な限界と、仕事のやりがいや収入の必要性などを総合的に判断して、それぞれで引退の時期を決めることになります。
一般的には、引退の時期は60代後半~70代ではないでしょうか。
翻訳者を目指すきっかけとして多いもの4つ
翻訳者になるきっかけはさまざまです。
中でも多いのが、ライフイベントや生活の変化に合わせて翻訳を始める方。
ここでは、翻訳をはじめるきっかけとして多い4つのライフイベントをご紹介します。
出産
まずは出産です。
子どもが生まれると、今の日本では女性が家事や育児の大半を担うことになります。
男性の育児参加が進んだとはいえ、まだまだ女性の方が負担が大きいというケースがほとんどです
仕事をしながら家事や育児をこなしてくのは決してラクではありません。
時短勤務ができるとしても毎日バタバタであることに変わりはありませんし、子どもが熱でも出そうものなら、職場に迷惑がかかってしまいます。
仕事と家庭とのバランスで悩む中で、「もう少し柔軟にワークライフバランスが取れる仕事がしたい」と考えるようになり、在宅でできる仕事として翻訳に興味を持つ。
こんな女性が一定数います。
かくいうわたしもこのチームです
第一子の出産を機に翻訳の勉強を始め、その1年後にはもうデビューをしていました。
育児に時間が取られるので勉強に割ける時間は少ないですが、比較的余裕をもった学習計画を立てることができ、デビュー後も長く働けるのがこのチームのメリットです。
産後に始めるのはむしろ早い方だと自信を持って、あせらず実力をみがいていくのがオススメです!
入園・入学
女性に多いパターンの2つ目は、「子どもの入園・入学」です。
子どもに手がかからなくなったから、何か仕事をしようと思ったときに翻訳を選ぶパターンですね!
アメリアにも、お子さんの入園とともに翻訳学習を始め、入学に合わせて本格的に仕事を始められた方の記事が掲載されています。
また、わたしが翻訳スクールに通っていたときにも、同じような方がいらっしゃいました。
お子さんの手がある程度離れてからだとしっかりと勉強時間が確保できますし、デビュー後もまだまだ長く働けます。
翻訳者としても決して遅いスタートではないので、自信を持って勉強を始めてください!
介護
これは、男性・女性ともに多いパターンです。
親御さんの介護が必要になって会社を休職・退職し、介護と両立できる仕事として翻訳者を目指すケースです
近年介護で離職する人が増えており、2017年には約9万人が離職しています。
今後高齢化がますます進んでいくことを考えると、介護離職をする人はさらに増えていくと考えられます。
このケースでは、ある程度社会人経験のある人が多いので、完全にゼロから翻訳者を目指すというよりは、前職の経験や英語力を活かして翻訳を始めることが多いようです。
翻訳は時間を柔軟に使える仕事なので、育児と同様、介護とも相性バッチリです!
これまでの専門知識を活かせるのであれば、50代未経験でもチャンスはゼロではないので、まずはしっかりと戦略を練るところから始めてみてください!
定年
翻訳に関しては、定年後に始めるケースが案外多いです。
実際、アメリアや通訳翻訳ジャーナルでも、定年後に翻訳者になったケースが過去に何度も紹介されています
ですので、定年後に翻訳を始めることは不可能ではありません!
ただ、定年後に始める場合、いくつか注意点があります。
- 早めに準備を始める
- なるべく現役時代の専門知識を活かせる分野を選ぶ
- ひとりよがりにならない
定年後、翻訳者デビューするまでに時間がかかってしまうと、翻訳者として働ける期間が短くなります。
翻訳者として一定期間仕事をしたいのであれば、定年退職と同時にトライアルに応募し始める、または定年前にはいくつかトライアルに合格しているのが理想的です。
定年後に翻訳者になろうと考えている人は、定年の数年前くらいからスクールに通うなどして準備を始める方が多いようです
専門知識があるなら、修了後に提携トライアルの受験ができるスクール1校に通えば十分です。
通学期間やトライアルの受験などを考えると、少なくとも定年の1年前から準備をするのがベスト!
定年後に実務翻訳を始めるのであれば、現役時代の専門知識を活かせる分野を選ぶことをオススメします。
既に専門知識のある分野を選ぶメリットは次の2点です。
- 学習時間を短縮できる
- 翻訳会社に興味を持ってもらえ、書類審査に通りやすくなる
趣味で翻訳をするのではなく、確実に翻訳者になることを目指すのであれば、現役時代の経験をアピールできる分野選びは必須です。
最後に、自分自身の経験に変にプライドを持たず、謙虚な姿勢でのぞむことが必要です。
これについては上でも書きましたね!
いくら素晴らしい職務経験があっても、翻訳の世界では新人です。
新人扱いされても怒らず、素直に他人の意見や間違いを受け入れられる人でないと、定年後に翻訳者になるのは厳しいでしょう。
まとめ
翻訳は、確かなスキルさえあれば年齢を問わず始められる素晴らしい世界です。
40代未経験から始めてもハンデがない仕事というのは、実際なかなか珍しいのではないでしょうか?
また、60代を過ぎても体力と気力さえ続けばいつまでも続けられるというのも、翻訳の大きなメリットです。
年金支給開始年齢がどんどん遅くなる今の時代、定年を過ぎても働き続ける人が増えています。
とはいえ、定年再雇用で給料がガクッと減ったり、定年後も通勤したり面倒な人間関係に悩まされるのはキツイですよね?
翻訳なら、定年後も自宅で無理なく自分のペースで働くことができるため、これからの時代にマッチした理想的な職業だと言えます。
この記事を読んで、翻訳を「やってみたい」「やってみよう」と思ったあなた!
ぜひ、すぐに行動に移してください。
トライアル合格が遅れれば遅れるほど働ける期間が短くなります。
スタートの時期が遅いほど素早い行動が大切ですよ!
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